高校の日本史の教室に私は住んでいた。そこからは常に入道雲が似合う晴々した空と、星のきれいな真っ暗な夜空のどちらかしか見えなかった。教室には机も何もなく、小さな洗面台や小さな冷蔵庫などがあるだけだった。実際にはなかった渡り廊下がよく見え、その向こう側には竹中直人似の人(以下、竹中氏)が同じように住んでいるのが見えた。その人は毎晩毎晩覚せい剤を飲んでいた。紙コップに粉の覚せい剤を入れ、水に溶かしてその一杯を日にちを分けて少しずつ飲む。その日残った分はラップをして冷蔵庫に保存しておく。それを繰り返しているのがとても気になっていた。
校舎には他にも人がいたが、住んでいる教室からはよく見えなかった(と言うか興味がなかった)のでみんながどこに住んでいるのかはよく分からない。とにかく一人、とても怖いやくざがいた。ワンピースに出てきそうな体のでかい、無表情の人だった。どこに住んでいるのかは分からないけど、必ず数人の人を連れて廊下を歩いているときに見かけるのだった。みんなそれに従わないと生きていけなかった。失敗をしたり反抗した人々はひどく殴られた。私も星のきれいな真っ暗な夜に、ある谷を下って水を取りに行かなければならなかったのだが、ちょうどリフトがあって、動いていたので乗ろうとした。すると「自分の足で取りに行け」とまず最初に蹴られた。危険な道を走って取りに行って急いで帰ってくると、「走るときは静かに走れ うるさい」と殴られた。そんな風に見た目威勢のいい感じの人たちも殴られまくっていた。ただ、不思議なことにみんなそんなに嫌がっているわけでもなく、そしてどんなに殴られても血は出なかった。
ある日、私は気になっていた竹中氏の部屋の近くを通って帰ることになった。その時はなぜか本人は部屋におらず、なぜか私はその人の使い終わった紙コップとラップを盗み帰った。そして自室の窓際に置いた。それが何日も続き、私の窓辺にはいくつかの紙コップとラップが並んでいた。
ある日、きれいな青空の時間に竹中氏の部屋を見ていると、やくざが突然竹中氏の部屋に入ってきて、殴りまくっていた。窓を開けて会話を聞くと、昨日の夜に竹中氏が覚せい剤をしていたのを目撃されてしまっていたらしい。竹中氏は連れ出され、多分もう戻ってこない感じだった。
落ち込むわけでもなく恐怖でもなくただ呆気にとられて部屋でぼーっとしていると、私の部屋に警察が来た。私にはやくざではなく警察が来た。そして窓際に並べられたコップを見て私の両脇をとって、「覚せい剤使用の疑いで逮捕する」と言った。「あぁ、違うのに」と思うも、逃げる気も起こらず、掴まれたまま廊下を歩いて行った。
心の中で「そして私だけ勘違いで捕まるんですね分かります」と思った。
というところで目が覚めた。
なんかすっごい鬱っぽくてごめんなさい。別に私自身は鬱ではないのよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿